モーツァルト:歌劇《後宮からの誘拐》 [DVD]



モーツァルト:歌劇《後宮からの誘拐》 [DVD]
モーツァルト:歌劇《後宮からの誘拐》 [DVD]

ジャンル:ミュージック クラシックDVD 洋楽 音楽
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歌手陣も演奏も好感が持てるけれど、

やはり書き換えた演出は問題だし、音楽だけがモーツァルトというだけで別のオペラと思った方がいい。その内容はオチデントの優越感、ヘロドトスの時代から変わっていないオリエントに対する露骨な蔑視が感じられ、決して愉快ではない。異性間にある根源的なテーマを現代に提示したつもりだろが、内容には暴力的、異性に対する否定的な側面も感じられ,盛りだくさんの内容がこの作品を分裂症気味にしている。
これはモーツアルトの音楽を借りた男女関係(結婚、家族、性)をテーマにした、モーツァルトハウスこけら落としのパーティーの演出でもしたつもりなのだろうか?
いずれにしても演奏/歌手陣は新鮮でとても素晴らしいだけに、ヘンハイムの人間臭が異様に強く感じられる演出は、フロイトの国だから我慢すべきなのだろか?
まったく違う「結婚パロディ」になった!

オペラの「演出家の時代」もついにここまで来た。ヘアハイムの演出は、2006年ザルツの全モーツァルト・オペラ中で最も”前衛的”だろう。大幅に物語を改作、全裸場面もある。音楽やアリアは原作通りだが、語りの台詞部分はヘアハイムの創作だから、歌われる歌詞は同じでも意味がまったく違うという面白い効果が生まれた。まず、トルコも、太守セリムも登場しない。場所もヨーロッパ。画像の巨大なウェディングケーキから分かるように、最初から最後まで、多数の白いウェディングドレスの花嫁たちと、黒い礼服の花婿たちが溢れかえる。コンスタンツェとブロンデ、ベルモンテとペドリッロは、多数の花嫁・花婿の中に混じる二組のカップルなのだ。そして、トルコの太守の番人のはずのオスミンは、なんと神父として(!)、二組のカップルを結婚に導く。原作では、異郷に置かれた二組の恋人たちが、悩み、揺れ動き、救出に来たベルモンテも婚約者の貞操を疑ったりするが、そうした”結婚への懐疑”を先鋭化して、結婚制度自体をパロディとして笑い飛ばすのが、ヘアハイム演出の意図だろう。CGを駆使したハイテク映像が活躍する舞台は面白い。でも原作とは大きく違うから、マニア向きのDVDだ。



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